■ ビジター・センターのオープン
<図1.ビジター・センターの外観>
2015年2月12日(木)、銚子ジオパークのビジター・センターがオープンしました。
銚子駅前の大通りをまっすぐ利根川に向かって200m(徒歩約3分)進み、「銚子市役所東」の交差点を右折し、角から4件目に入口を持つ駐車場内を南に進むと、奥に『ちょうし横丁』の黒い平屋建ての建物群があります。
車でお越しの方は、この無料駐車場(普通車30台+バスが駐車可能)に止められます。
ビジター・センターは、ウッドのガーデン・テーブル・セットが並ぶ通りに面して、軒を深く取った和風タッチの黒い屋根と壁に、木枠の大きなガラス引き戸が6枚並ぶ、解放的な平屋に入居しています。
入口の目印は銚子ジオパークの「のぼり旗」で、「ジオっちょ(銚子ジオパークのマスコット・キャラクター)」の笑顔が目立ちます。
<図2.室内奥から入口方向を見る> 中に入ると、壁面・スタンド・床置きボックスなどを利用して、銚子ジオパークを実感するための様々な展示が見られます(「銚子ジオパーク推進市民の会」の HP 内の「 暮らしの中にジオがある 」参照)。これらはすべて、銚子ジオパーク推進室の専門員の方によって計画・実装されたものです。
入口右手では、『銚子・屏風ヶ浦・九十九里浜_地質・地形をめぐる【現地編】』というタイトルの千葉県立中央博物館が作成したビデオが、常時、放映されています。
ビデオの左側のガラス引き戸の前のスタンドには、銚子ジオパークを分かりやすく説明したパンフレットやマップだけでなく、観光マップ類も豊富に並んでおりますので、お手に取ってご覧ください。
入口の正面(ビデオの反対側)で目を惹くのは、銚子ジオパークを代表する四つの見どころ(四大ジオサイト)を転写した4枚の縦長スクリーンです。各スクリーンの下に並ぶのは、各ジオサイトを代表する岩石です。 <図3.四大ジオサイトと岩石の展示>
①犬岩ではジュラ紀の砂岩、②犬吠埼では「銚子石」、③宝満では古銅輝石安山岩、④屏風ヶ浦では「飯岡石(「銚子ジオパーク推進市民の会」の HP 内の「 ジオ別館 : 銚子ジオ散歩(62)飯岡石を求めて ①飯岡石とは 」参照)」が展示されています。
銚子石と飯岡石は、昭和前半までは石材に使われていましたが、今は現地での採取はできません。
古銅輝石安山岩は、千葉県では珍しい火山の痕跡を示す溶岩で、強い太陽光の下では、岩に含まれる鉱物が、遠くにある恒星のように細やかに輝きます。
四大ジオサイト紹介の右側のガラス・ケースの中には、 「銚子半島の立体模型」があります。
銚子ジオパークのキャッチ・コピー「太平洋に突き出た大地の右腕」が実感できる、三方を水域に囲まれた半島の様子が見て取れます。
下総台地では、河川による複雑な浸食(谷頭浸食)の様子に、目が釘付けになります。
ガラス・ケースの上方向の壁には、銚子ジオパークの大型 <図4.銚子半島の立体模型> マップがあります。これを見れば、銚子半島全体に散らばる数多くのジオサイトの位置と、そこへのアクセスの概略が分かります。
大型マップの右側のパンチング・ボードには、各ジオサイトの小型写真を含む簡潔な説明シートがピンナップされています。
パンチング・ボードと、パンフレット類のスタンドとの間の床置きボックスの上には、長崎海岸を南に回り込んだ波止山の上部で工事を行った際に産出した、化石を含む岩(白亜紀の海鹿島層後期)が展示されています。
近づいてよく見ると、トリゴニア(三角貝)やシジミなど多くの貝類も見つかって、楽しくなりまます。東海岸の黒生~海鹿島沖の <図5.波止山の化石を含む岩> 岩礁で見られる海鹿島礫岩(白亜紀の海鹿島層前期)との違いにも驚かされます。
銚子市民の方には、いかに私たちが豊かな自然環境で、その恵みを受けて生活しているのか、改めて知り、学び、私たちの町を丸ごと楽しむお手伝いをしたいと思っております。
また銚子を訪れて下さる市外の方には、銚子でどのように楽しい時を過ごして頂けるか、スタッフがお話を伺いながら、ご案内いたします。
まだオープンしたばかりで、私たちも一からの出発ですが、皆様のご期待に応え、喜んで頂けるようなスポットにしたいと思っております。
<図6.岩石展示を見るお客様と解説するスタッフ> どうぞ、お気軽にお立ち寄りください。
文の補筆&画像の編集:HP&ブログの担当スタッフ i n 銚子ジオパーク推進市民の会